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手術当日 手術後

次のシーンは、手術後
「たまさぁ~ん」「たまさぁ~ん」って、声をかけられているときだった。
深呼吸をしたときにむせたのは覚えている。
部屋に戻ったのが、家族より早かったのも覚えている。
ストレッチャーから、ベットに移してもらっているのも覚えている。
母が、手をさすってくれているのも分かった。
ぽちが、指輪をはめてくれているのも分かった。
ぽちが、お花が届いたことを教えてくれた。
叔母が、入口の方で見守ってくれているのも分かった。

こんな感じで、私は、普段から薬を飲まないせいか、なんなのか、
前麻酔で結構効いてしまったようだった。
ストレッチャーに移ったときのことは覚えていない。
手術室に入って、着替えたり、血圧の設定をしたのも覚えていない。
硬膜外麻酔の局所麻酔を全く記憶していない。
手術台に乗ったのも、どのようにして乗ったのか記憶していない。
こんな感じだった。

病室に戻った私は、
左腕には相変わらず点滴。
口元には酸素吸入。
背中には硬膜外麻酔のカテーテル。
鼻からは、麻酔で気持ち悪くならないためのなんだかのチューブ。
なんだかどよ~んとしていた。
痛みは、のどが風邪を引いたときのように痛い他は、全くなかった。

体を切られたとあって、体も緊張しているのだろう。
補聴器を付けていて、聞こえるせいもあるのだろう。
看護婦が来るたびに分かるし、何かと音が気になる。
術後は、最初は15分間隔から始まって、次第に時間を空け、体温など確認にまめに看護婦が足を運んでくれる。
眠れない。決して眠りたい状態でもないのは分かるが。
うとうとしても何かと目が覚めてしまうようだ。

消灯後、看護婦が確認に来たときに、担当医も部屋に来てくれていた。
声を出したくても、のどが痛くて出せなかったので、右手で先生に向かい手を振った。
自分が起きていることをアピールしたかったらしい。
気がついてくれて、枕元の方に先生が来てくれた。
お礼を言いたかったと記憶しているが、お礼を言えたかどうかは覚えていない。
覚えている会話は、
「この程度で済んだから言えることかもしれないが、
できれば、がんなんてならなくて済むモノなら、なりたくなかった。
でも、なって良かったと思う。
いろんな人の、思いを知ることが出来、いい経験になった。」
と、いう自分の意見を言ったのは覚えている。
「人の痛みっていうのはね、なかなか分からないものなの」
っていうことを、先生が話していたと思うが、きちんと全部は記憶していない。
残念ではあるが、仕方がない。
医者としての立場というより、いち個人としての立場の方が強く感じた。

ぽちの会社から送られてきた花が、花瓶に挿されていなかったのを見て、花瓶を探してきてくれた。
その後に、「じゃあ、帰るわね」って帰っていった後ろ姿を覚えている。

熱は38.7と言ったのを覚えている。
子供時代以来の高熱だ。

酸素?を外してもらったのは、確か、手術当日だったと思う。
by yayakoshiya_tama | 2004-09-17 11:02 | がん のことと からだ のこと
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